ランサムウェアはマルウェアの一種ですが、最近、シマンテックのノートンの公式ロゴを使って、あたかもシマンテックの認定を受けているかのように思い込ませるランサムウェアが出現したと報道されています。これは、マルウェアの作成者がユーザーを欺こうとしてソーシャルエンジニアリングでよく使う手口で、セキュリティ企業のロゴがランサムウェアに悪用されるのも初めてのことではありません。
シマンテックは、このランサムウェアを Trojan.Ransomlock.Qとして検出し、IPS 保護定義「System Infected: Trojan.Ransomlock.Q」でもそのネットワーク活動が検出されます。
図 1. ドイツ語ユーザーに表示される Trojan.Ransomlock.Q(ノートンのロゴに注目。画像提供: Heise Online)
今までと同様、万一ランサムウェアに感染してしまった場合でも、けっして身代金は支払わないでください。かわりに、シマンテックが提供している駆除手順に従うか、削除手順を示したこちらのビデオ(英語)を参照してください。
ランサムウェアの機能と手口は、ここ数年ほとんど変化していません。亜種ごとに新しいデザインは無数に登場していますが、デザイン上の習慣は一定しており、通例は公式の機関や正規のセキュリティ企業に偽装して信憑性を獲得しようとしています。
Trojan.Ransomlock.Q(別名 Urausy)の場合、作成者はこれまでどおり非常に活動的で、標的とする国に応じた政治情勢の変化に合わせて頻繁にデザインを更新します。きわめて巧妙で、最新のニュースにもいち早く対応しています。理由は不明ですが、アイルランド語のバージョンではノートンのロゴが使われていません。
図 2.アイルランド語ユーザーに表示される Trojan.Ransomlock.Q
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