スイスで、ある裁判官が、ソーシャルネットワークに投稿したコメントについて罰金の支払いを若者に命じる判決がありました。報道によると、この若者はソーシャルネットワーク上の 290 人の友人から自分の誕生日に届いたお祝いのコメントが足りないと感じたと言います。若者が投稿したコメントは、ざっと翻訳するとこんな内容でした。「誰も僕の誕生日を祝ってくれないんだな(中略)みんな、ぶっ殺してやる。今さら後悔しても、もう手遅れだよ。バーン、バーン、バーン」若者は後から、このコメントはただの嫌みのつもりで殺人の意図はなかったと釈明しましたが、裁判官はこのコメントにユーモアを認めず罰金の支払いを命じました。
これは、最近頻繁に起きている偽の脅迫的な投稿のほんの一例にすぎません。なかには、「Facebook で脅迫的な内容」を投稿したとしてテキサス州の 10 代の若者が禁固 5 カ月の判決を受けたように、もっと重い処罰を受けた例もあります。脅迫と受け取られかねないコメントは、たちまち地元当局の目にとまって手痛い結果をもたらす可能性があります。
ウインクの顔文字を付けたところで、冗談だという意図を示すには足りないということを忘れないでください。司法当局は脅迫を冗談とは見なさず、顔文字は通用しません。写真でもコメントでも、ソーシャルネットワークに投稿する前には十分に考慮することが肝心です。
ソーシャルネットワーク上のコンテンツは、またたく間に広まります。たとえば今年の初めにも、人気のスマートフォンアプリに関するデマメールが飛び交いました。デマにはいくつものパターンがありましたが、あるメッセージはコンピュータで生成された音声で「Send this message in the next 20 minutes to 20 friends or you will be dead by tomorrow.(20 分以内に 20 人の友人にこのメッセージを転送せよ。さもないと明日までの命だ)」と告げるものでした。通常であれば、これほど露骨であれば、受信したユーザーは誰も相手にせずメッセージを削除して終わるはずでした。ところが、このとき使われたのは 10 代に非常に人気のあるインスタントメッセージサービスだったため、多くの学生が怖がり、心配して次々とメッセージを転送したのです。ドイツではこのデマが山火事のように広まり、あまりに多くの未成年者の間に広がったため、このデマメールについて警察が警告を始めたほどです。
どのような内容でも、オンラインに投稿する場合にはその影響を考えることが重要です。きわどい冗談は本物の脅迫と受け取られかねないと心得るべきでしょう。投稿内容について自信がない場合には、常に控え目にしておく(あるいは可愛いネコの写真を投稿する)ほうが無難です。もちろん、自信がないのなら、そもそも投稿しないに越したことはありません。
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